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東日本大震災と気象予報を描いた「おかえりモネ」に深く感動する理由

2021年10月10日

ここ最近、毎回見ている朝ドラがあります。

そう。タイトルにもあるようにNHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」なんです。

もともと朝ドラは見ないほうだったのですが(2010年の「ゲゲゲの女房」以来)、今回は違いました。

途中からの鑑賞だったのですが、いつのまにかずるずるとハマってしまっています。

今回はそんな私がなぜ番組を見始めたのか?なぜそこまでハマっているのか?そして番組の魅力は何なのか?を語っていこうと思います。

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気象予報士の物語に引き込まれた!

放送の開始は5月17日からで、私が見始めたのが本当に最近で7月頃でした。

見始めたきっかけは「気象予報士」を扱っていたから。

気象予報といえば台風や豪雨の予測で大切な役割を担っていますし、このブログも防災に関することを扱っています。

さらに以前に見た民間の気象予報会社「ウェザーニュース」社のことも記憶に残っていたので、興味をもって見ることになりました。

最初は確かに「気象予報」に関することで関心を持っていたのですが、いつのまにか登場人物のおりなす人間ドラマに引き込まれてしまいまして・・・

大まかなストーリーはこちらです。

宮城・気仙沼湾沖の島で育ち登米で青春を過ごしたヒロインが、魅力と可能性を感じることができた天気予報を通じて、人々の役に立ちたいと気象予報士を目指して上京し、やがて故郷の島へ戻り予報士としての能力を活かして地域に貢献する姿を描く

wikipedia「おかえりモネ」より

見始めの頃は島で働くヒロインの健闘ぶりと、気象予報士に合格できるのかどうかについて関心をもっていましたが、いつのまにか島に派遣されている若い先生との淡い恋愛的な流れにも「おお‥」と思うようになりまして(笑)

何というか、若い時の懐かしい甘酸っぱい思い出を感じさせてくれるんですよね。

これは見始めた序盤だけではなくて、今も続いている後半戦のドラマの中でもずっと共通している部分です。

そんなヒロインが見事に気象予報士に合格して、東京の気象予報会社に就職することになります。

この会社は先ほど触れた「ウェザーニュース」社を完全にモデルにしていると思うのですが、そこで働く面々も魅力的でした。

ヒロインを気象の世界に引き込んだ西島秀俊さんを始め、同僚の美人キャスターーや気象予報オタクの男性(最後にはキャスターになります)、昔懐かしい高岡早紀さん演じる敏腕ディレクターといった、それぞれに背景と個性をもったキャラクターが、ヒロインのモネの周りで楽しく前向きに動いていて、見ているだけで元気をもらえるような気分になりました。

ここでの経験がヒロインの人生を大きく変えたこと、地元に貢献したいという思いで島に帰って、気象予報の仕事を立ち上げて、会社の事業所として継続していくこと。

すべては主人公モネの信念と決して諦めない気持ちが、それらを可能にします。

ビジネスとしては賛成できなかった社長の気持ちをも動かして、会社の給料と事業所立ち上げの資金を提供してもらえたのです。

社長さんは井上順さんが演じていて、これもまた西島秀俊さんと同様に、穏やかで前にしゃしゃり出ないけれども、静かにモネを後ろで見守っているという演技がすごく心に残りました。

ヒロインの恋の行方が気になって仕方がなくなった!

もう一つの番組の魅力は、ヒロインと若き医師(坂口健太郎)の恋の物語です。

もともとは島で出会って、モネの勉強を手伝ううちに、いつの間にか恋をしてしまった的な流れをそこはかとなく描いていました。

この若いお医者さんはとにかく奥手な人で、それでいて的確な分析をモネに与えてくれるという面で信頼度は抜群な存在。

最終的には東京編で結婚の約束を果たすような仲になるのですが、このへんもはっきりと描いていたわけではなくて、なんとなくそんな感じで物語は進んで行っているように思えます。

ハンサムだけど不器用、ちょっとオドオドしていて、それでいてちゃんと物事は見ている。

自分がこんなタイプではないので、ちょっと憧れます(笑)

今この文章を書いている時点では、まだ二人は結婚まで至っていないのですが、今月の29日を迎えるころには挙式を果たすのだろうですかね?

またお父さん役の内野聖陽さんのしかめっ面が見てみたい気がしますよ(笑)

島の風景、家族の穏やかな関係に感動

ヒロインの生まれ育った島は宮城県の気仙沼湾の島という設定で、それなのか、人間関係がすごく濃密という雰囲気を描いています。

もともとヒロインが気象予報を目指そうと思ったのも、東日本大震災が起きたとき、自分は島にいなかったということにありました。

ずっと心の中にあった「皆が大変な時に自分は役立てなかった」という忸怩たる思い。

「いつか島のために貢献したい」という気持ち。

最後には地元に帰ってきて、コミュニティラジオのDJとして気象予報を担当する流れになるのです。

そんな中でもヒロインの家族の人間関係がすごく良いんですよね。

お父さん、お母さん、妹、お爺ちゃんがそれぞれ優しくて、それでいて人知れず悩みを抱えていて、それを少しづつ解きほぐしていく描写がものすごく優しいといいますか・・・

ツイートでも書いたのですが、島の自然の風景とか家族の優しさとかを見ていると、ジブリのアニメを見ているような気になるんですよね。

決して大きな事件が起こるわけでもない。

人生の方向性に悩むそれぞれの人たち、若い男女の恋の行方、ずっと心に残っていた過去のわだかまりなど、全てのことが10年前のあの時の出来事に根差していて(東日本大震災)、それを解決するべきでも、そうでないとも示さないという、あいまいだけど穏やかな姿勢。

人生は決して白と黒で分けられるものではなくて、グレーの部分もあるのと同じように、問題を解決したり、曖昧さにけじめをつけたりすることで逆に人を傷つけることもあるということ・・・

最後は「人の気持ちの優しさ」と「時間」が解決してくれるんじゃないかということ。

それを見事に体現していたのが、藤竜也さん演じるヒロインの家のお爺さんなんでしょうね。

家族の気持ちがすれ違いそうになる一瞬、このお爺ちゃんが静かで優しい一言を発するだけで、その場が和み、葛藤が消えるんです。

そしてその物言いも決して押しつけがましくない。

あくまで相手を立てて、その気持ちを汲んで、ゆっくりと話す様子は、まさに「仙人」という印象を受けました。

とはいっても、冗談を言ったり、漁師さんらしく時には厳しい態度で周りに接するときもあったので、完全に「仙人」ではないですが。

少なくとも家族とのやり取りは、すごく優しさに満ちていて、見ていて気持ちが穏やかになりました。

お母さん役の鈴木京香さんも、すごく優しい母親を演じていて、正直これまではそんなに好きではなかったんですが、このドラマを見て見方が変わりました。

ご本人も宮城出身ということで、地元への想いがあったと思います。

物語では、本当は教職に戻りたいけれども、震災時に津波が襲ってきたときに、たとえ一瞬でも生徒たちより自分の子供たちを優先しようとした自分を許せないでいる役柄を、後半でやっと出してきて、それがまた涙を誘いました。

震災によって失ったものもあり、忘れられないものもある・

そういう意味では、ひょっとしたら、このドラマの本当の主人公は鈴木京香さんなのかもしれません。

そしてお父さん。

内野聖陽さんが演じる銀行員の役柄ですが、心優しい穏やかなキャラクターたちが多い中で、この人だけは感情を表に出した演技で魅せてくれました。

といっても、もちろん怒りとか衝撃とかの激しい感情描写はありません。

たとえば、モネが東京に行ったときに下宿に立ち寄って、たまたまいた恋人のお医者さんを見つけてネチネチと攻撃したり(笑)、島が台風で被害を受けた時も積極的に皆を集めて復興に動いたりと、人間らしい演技で「分かるわ~」と感じさせてくれたところです。

そして奥さんの本当の気持ちを察し、あえて自分から「家で子供たちに勉強を教えるところから始めたらどうだ?」と机やボードを準備して明るく振る舞っていたシーンなども、本当に感動しました。

このお父さんの存在がなければ、ヒロインの家はもう少し暗くなっていたかもしれませんね。

そして妹のみーちゃん。

彼女に関しては今までツイッターで散々取り上げてきたので今さらですが(笑)、とにかく昔から自分をだせずにいて、優しいので本当にやりたいことも我慢して、気が付いたら、自分が本当に何をしたいのか分からなくなっていたという、複雑なキャラクター。

お姉さんのモネに劣等感を感じつつも、その優しさに甘えている面もあって、兄である自分的には「弟とか妹ってそんなものなのか」と、ちょっと意外な感じを受けました。

ナイーブで自分を出せなくて、責任感は本当はあまりないのだろうけど、頑張って誰かを支えたい、でも本当は自分を見て欲しい、という性格が見え隠れするような気がして「もっと妹らしくわがままになりなさいよ」と一言いいたくなりそうになりました。

でも彼女の存在が、ヒロインのモネの「突き進むパワー」の反面である「周りを見渡す冷静さ」の部分を取り戻させてくれるのかもしれませんね。

最終回を見た感想!

10月29日の金曜日、ついに「おかえりモネ」は最終回を迎えました!

亮君、妹みーちゃんのトラウマ、お父さんの新しい人生、そしてモネと菅波先生との未来・・・

すべてがはっきりして、皆が明るい未来への一歩を踏み出すことになりましたね。

冒頭のシーンで、モネが皆の前に持ってきた楽器入れ。

長い間、モネが開けることができないでいた「思い入れ」のある楽器入れ。

そこにはモネがどうしても見ることができなかった「過去」がありました。

皆が新たな一歩を踏み出すことになった今だからこそ、開けることができる。

モネは皆の前でそれを開けました。

そこには「3月12日開催」と書かれていた「卒業記念の演奏会のチラシ」が・・

東日本大震災と津波が起きたのが3月11日。

モネが今まで抱いていた「過去へのトラウマ」。

そのときのモネは、それを見ても「未来への決心」は変わることはありませんでした。

そしてそのことを皆に語った時、妹のみーちゃんや亮君が言った言葉。「おかえり、モネ」

10年ぶりにモネは帰ってきたのです。

故郷の登米に・・・

まとめ

これ以外にも本当は魅力的な部分がたくさんあって、もっと書きたい衝動に駆られています(笑)

でもこれ以上書くと、きっとまとまりがつなかくなると思うので、ひとまずはこの辺りでキーボードを叩く指を休ませようと思います。

とにかく穏やかさと優しさと前向きな気持ちと、若かったあの頃の「甘酸っぱい」青春の思い出に浸らせてくれた素晴らしいドラマでした。

登場人物の全てに優しさと魅力があって、どのシーンでも決して嫌な気分になることはありませんでした。

きっと震災という忘れがたい現実の出来事がベースになっているということ、それでも前に進んでいく現地の人の姿を美しい自然風景や人間関係で描写しているからこそ、素直に心に響くものになっているのだと思います。

唯一の心残りは、お風呂屋さんで最後まで姿を見せなかった人ですが(笑)

番組は終わりましたが、私はこのドラマをしばらくは忘れないと思います。

いつまでも、というわけにはいかないでしょうが、少なくとも宮城県の気仙沼湾のあの美しい島の風景を何かの機会に目にすることがあったとしたら、きっと真っ先の思い出すのは、このドラマになるでしょう。

出演者の皆さん、制作関係者の皆さん、そして撮影現場となった気仙沼湾の皆さん、遠い関西地方の視聴者の一人に心洗われるひと時を与えてくれて、本当に有難うございました。

またいつの日か、ドラマの第2弾が何かの形で復活できることをひそかに祈っています。

有難うございました!

「おかえりモネ」NHK公式サイト

【追記】

先日の金曜日にたまたま深夜放送を見ていたら、内野聖陽さんと西島秀俊さんが共演しているドラマを見ました。

「きのうなに食べた」ドラマ公式サイト

ゲイの二人という設定で、これはまた「おかえりモネ」で魅せた硬派なキャラクターとは真逆だなと思いましたが、見進めると、西島さんは相変わらず「きっちり」してますし、内野さんは「くだけた」キャラなのは変わらないということで、なかなか楽しめましたよ。

マンガを原作にしているドラマのようで、そういえばこの前007の「ノータイムトゥダイ」を見に行ったときの予告で放映されていたので、映画化にもなっているんですね。

これもなかなか面白そうなので、引き続きチェックしておきますよ。

皆さんも、良ければぜひ。

マンガはこちら↓

ドラマはこちら↓

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