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地震体験

【震災体験談】災害時のおすすめバイクと自転車を紹介

2020年12月17日

大きな地震などの災害直後は道路が不通になっていることが想定されます。

私も25年前の阪神大震災で被災した時、住んでいる街の道路網はズタズタに寸断されていました。

倒壊した建物が道をふさいでいたり、ガラス片が散らばっている、転倒した車があちらこちらにあったり、道路そのものが凸凹になって使えない状態にありました。

移動しようとしたり、物資を運ぼうとすると、道路の多くが使えない状態になっているので、車による移動はほぼ不可能。

で、こういうときに便利なのが二輪車というわけです。

二輪車と言えば「オートバイ」「自転車」になります。

今回はその2つについて自分の体験談をもとに紹介していきたいと思います。

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被災地で大活躍したバイク!

被災直後の神戸の街はまさに空襲を受けたような状態でした。

当時の私は東灘と灘区の中間くらいに住んでおり、ひときわ被害が甚大な場所の一つでもありました。

自宅はもちろん、自宅の周りのご近所一帯の家が全て倒壊。

まるでミサイルの直撃を受けたような悲惨な状況になっていて、初めてその様子を見たときは言葉を失ったことを今でもよく覚えています。

古い木造建築が立ち並ぶ界隈だったので、同じ町内でも他に比べると特に家の倒壊率が高かったように思います。

そのあたりの詳細は以前に体験記事を書いたので、そちらをご覧ください。

29年前の阪神淡路大震災で体験したこと、必要だと感じたこと

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そんな状況の中でも、日々の生活を送らないといけなくなります。

買い出しに行く必要があったり、友人や知人、少し離れた場所に住む親戚の安否を確認に行くこともありました。

普段なら家の車を使っていたのでしょうが、被災直後の2~3日は住んでいた区域の道路やその周辺の環境は壊滅的だったので、とてもスムーズに移動できる状態ではありませんでした。

なので、友人に頼んでオートバイに乗せてもらって、買い物や安否確認に走ってもらったりしました。

オートバイは本当に便利で、車なら通れないような道(倒壊した木や建物でふさがっている)も隙間を縫ってスイスイ通れますし、重たい荷物もリュックに背負っていれば問題なく移動できます。

友人と一緒に道なき道を行くようにして、寸断された道路や歩道をバイクで突っ切っていきました。

もちろんすべての道路がダメだったわけではなく、地震の被害が少なかった場所などは普通に車が通れるようになっていたので、その時は気持ちよく走れたものです(車の数も少なかった)

買い出したものも運べて、少し離れた友人の家にも連れて行ってもらえたので、このときの友人には今でも本当に感謝ですね。

ただ問題が一つありまして、それは「燃料を補給する必要がある」こと。

市内のガソリンスタンドは被災直後はほぼ閉鎖しており、友人は被害が少なかった北区(山を越えた神戸市の北部地域)までバイクで行き、そこでガソリンを入れて帰ってきてたといいます。

さすがにガソリン代もかかりますし、友人の家のこともあるので迷惑かなと思い、ある程度の買い出しや安否確認が済んだ後は、お礼をして後は自分でなんとかすることにしました。

それ以降は別の二輪車で移動と運搬を実行することになりました。

自転車は2番目に最強の移動・運搬手段だった

次に移動や運搬に使ったのは「自転車」です。

もともと持っていたマウンテンバイクで、倒壊した自宅から無事に引き出すことができていました。

震災前の利用時から、取り回しと機動力が半端なかったので、それを買い出しや移動に使うことにしたのです。

オートバイに比べると運べる荷物や移動距離に限りがありますが、それでも歩くよりは全然楽ですし、移動できる距離や運べる荷物の量も違います。

燃料を必要としないのでお金も手間もかかりません。

しかもマウンテンバイクは普通の自転車に比べて、オフロード(舗装されていない道)を走るように設計されているので、まさに地震で寸断された道路状況にぴったりな移動手段になっていました。

自転車に乗ることで体力もつくので、避難場所で運動不足になりがちな環境の中で健康状態を保てたのも、マウンテンバイクで走り回っていたことも大きかったと思います。

そんな完ぺきと言える移動手段のマウンテンバイクですが、もちろん欠点はありました

それは「タイヤがパンクしやすいこと」です。

これはモトクロスバイクに限ったことではなく、自転車全般にいえることです。

オートバイに比べればタイヤが細くできているので、耐久力は落ちてしまいます。

震災時には道路にガラス片や倒壊した家屋の破片だったりがあちらそこらに散乱しており、その上を走ることでタイヤに負荷をかけることは避けられません。

実際に1週間ぐらいでタイヤがパンクしてしまい、そのまま使用を止めることになりました。

修繕道具は家にあったのですが、被災で家が倒壊してしまっていたので、全て失くしてしまっていたのです。

なので、以降は再び徒歩で生活物資の調達に向かうことになったのでした。

被災地に向くバイク・自転車のおすすめと必要なリペアツール

オートバイと自転車がいかに被災地で役立つかということを、震災経験談をもとに語ってみました。

かなり使える移動手段であることは実体験から感じましたが、今度も起こりえるだろう災害直後の使用に耐えうる二輪車はどのようなものになるのでしょうか。

私の体験から感じたことを、これから述べてみたいと思います。

オートバイ編

まずはオートバイです。

オートバイも色々ありますが、災害直後の町使用で役立つと思うのは間違いなくオフロードバイクです。

マウンテンバイクと同じように道なき道を走れるように作られているので、道路環境が最悪な被災地での使用に十分に耐えると思います。

ボデイが軽く、タイヤも丈夫なので取り回しも楽で、細かい操作も難なくこなせます。

燃費も普通のバイクに比べるとかなりいいと思います。

私がお世話になった友人のバイクは実はオフロードタイプではなく普通のオートバイだったのですが、オフロードバイクに乗っている別の友人の話を後で聞いて「そっちのほうが向いてるか」と感じました。

なので被災直後に便利なバイクは「オフロード」一択かなと思います。

バイクの燃料補給にガソリンは必須ですが、被災地ではガソリンスタンドが閉鎖している可能性が高くなります。

もし開いていても近隣住民が殺到していることが予想されるため、販売終了になっていることも考えられます。

そうした時に備蓄できるガソリン缶詰があれば大変便利。

缶詰なので空気と触れることがないため、ポリタンクでの保管と違ってガソリンの劣化の心配もありません。

以下の記事で販売店などの詳細をまとめていますので、備蓄を検討している方はチェックしてみてください。

災害時に役立つ低燃費車とガソリン缶詰の紹介

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自転車編

マウンテンバイク

先ほどから述べているように「マウンテンバイク」が最もフィットしてます。

私の経験からもそうですし、悪路となってる被災後の道でも難なく移動できる良さがあります。

問題は「タイヤのパンク」

オートバイに比べてタイヤの質が弱めなので、どうしても使い続けていると消耗してしまいます。

なので、できれば修繕するツールを持っておくことをお勧めしたいです。

タイヤのパンクツールや予備のタイヤも含めて、防災用に保管しておくと良いと思いますね。

ほかにもバイクで移動するときに背負うリュックや、少しでも荷物を運べるようなサイドバッグもあると便利ですよ。

ママチャリでもOK

前に籠がついた町乗り用の自転車で、正式には「シティサイクル」と呼ばれています。

お子さんを乗せたお母さんがよく乗っていることから「ママのチャリンコ=ママチャリ」というのが通称になってますね。

操作が簡単なので二輪が苦手な人でも乗れますし、かごがついているので荷物を運ぶのも便利。

価格も手ごろで、電動式でなければ、一万円前後の価格でホームセンターで購入できます。

モトクロスやクロス系の自転車に比べれば機動力は劣るかもしれませんが、操作性そのものは結構良いと思います。

普段から走りなれた人なら、かなりの距離を走り続けることが可能ではないでしょうか。

ただ心配なのは「足回りの頑丈さ」です。

悪路が想定される被災地の道路状況で、ママチャリのタイヤの強度がもつかどうかですね。

あくまで街乗り用・舗装された道を走るために設計されたものでしょうから、オフロード用に作られたモトクロスバイクに比べて、タイヤ周りの耐久力に難があるのではないかと思います。

私自身は被災地で使ったことがないのでなんとも言えませんが・・・

こればっかりは実際に乗ってみないと分かりませんね。

とはいえ、徒歩に比べれば格段に使える移動・運搬ツールだと思いますよ。

電源チャージができるなら電動アシスト自転車がイチ押し!

マウンテンバイクやママチャリはパンクなどのケアを行えば、基本的には半永久的に乗ることができます。

自力で動かすのでエネルギーチャージは必要がありませんから。

でも重たい荷物を運んだり、坂道を登ったりするのが大変。

とくに高齢者や女性には負担ですよね。

そんなときに電動アシスト自転車があれば百人力です。

バイクと同じようにどんな道でもスイスイ進めますし、重たい荷物もへっちゃらですよ。

きちんと電源を確保できれば、バイクより手軽で扱いやすく、免許も必要のない電動アシスト自転車はほぼ最強かなと。

バッテリーは軽量で長持ちするリチウムイオンバッテリーが主流になっています。

非常時の充電はポータブル電源や発電機を使うと良いですね。

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ヤマハ

災害時にバイクと自転車は役立ちます

災害時の移動や荷物運びに便利なバイク。

燃料が必要なオートバイと自分の足だけで移動できる自転車のどちらも利点と不利な点がありますが、機動力と移動性の良さはどちらも共通してます。

私も被災してから2週間後に車で大阪に避難できたのですが、逆にいえば大型災害が起きた後の街で道路が復旧するのはそれくらいかかると思うので、それまでの臨時使用として二輪車がベストだと思います。

被災地からの脱出、新しい生活へと進んだ体験談【阪神淡路大震災】

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道路状況が改善されるまでは二輪車の使用がおすすめということで、ぜひ防災ツールの一つとして候補に挙げてもらえたらと思いますね。

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