過去に2度ほど自宅マンションで火災に遭い、夜中に住民全員で避難したことがあります。
幸いどちらも自分や家族に怪我や部屋の被害はなかったので、ホッとしましたが、それでも避難したときは生きた心地はしませんでした。
火災というのは火の出所によっては逃げる場所が塞がれたり、避難に困難を生じることがあり、地震や津波とはまた違った恐怖があります。
今回はそんな過去2度に渡る火災経験から感じた「こんなマンションだと火災に強い」「火災が起きても助かる可能性が高くなる」という知見を、あくまで体験者目線ですが、紹介していきたいと思います。
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【1】部屋の耐火・延焼防止がしっかしているマンション
マンションの構造が耐火や延焼防止のための機能をしっかり備えていることが最優先事項です。
国土交通省による「建築基準法」では、建物の主要構造部(柱、梁、床、屋根、壁、階段など)に耐火性能のある材質などが使用されていることが定められています。
マンションであれば「鉄骨」「壁材」「塗料」などで耐火や防火が施されているかと思います。
各部屋で使われる建築素材や塗料が耐火や防火であることは、現在のマンションであれば通常の施工になるかと思います。
具体的には、壁在に使われる高性能グラスウールや石膏ボードなどがそれに相当するでしょうか。(専門家ではないので、あくまで一例として)
私が住んでいたマンションが火事になった時、火元になった部屋から隣室への類焼を防げた理由が「壁の間に隙間を開けている構造なので、延焼がでないようになっている」ということを後で管理会社から聞き「へえ、そういうものなんだ」と納得した記憶があります。
この「延焼を防ぐ」というのはマンション住まいでは結構大事でして、自室内から火が出るのは自己責任になりますが、それが隣の部屋に類焼するとなると、自分だけの問題だけでは済まなくなります。
家財の損害賠償はもちろんのこと、けが人や死者が出てしまうと、最悪の場合は刑事罰にも発展する恐れがあります(故意でない限りはそこまで至らないと思いますが)
なので、もし万が一にも火事を起こしてしまったとしても、最悪自分の部屋だけに留めることができるような耐火構造のマンションを選ぶことが大事だと思います。
【2】避難経路が用意されているマンション
共用のベランダがある場合は、火災などの非常時に窓から脱出して、ベランダ沿いに非常階段まで脱出できる経路が用意されています。
その場合は各部屋ごとに仕切られている「隔て板」を破っていき、フロアごとの共有スペースの非常階段もしくはマンションの外側にある避難経路にまで到達できる仕組みになっています。
マンションによっては部屋ごとのベランダに階下に逃げるための脱出口が用意されていたり、ベランダから外に降りる避難はしごが設置されていたりします。
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火災が玄関にまで迫っている場合は共用フロアに脱出することができないので、ベランダから逃げるための経路や手段が用意されているかどうかもマンション選びの際の大きなポイントになると思いますね。
【3】部屋に火災報知器・スプリンクラーが備え付けてあるマンション
煙や火を探知して警報を鳴らす「火災報知器」や「スプリンクラー」の有無も重要です。
火事の原因のトップに上がりやすい寝たばこも、煙や炎を探知して火災報知器で警報を知らせることができます。
スプリンクラーが設置してあると、火災が発生しても自動的に散水が始まって消火することができます。
消防法によると、11階以上の建物はスプリンクラーが義務付けられており、高層階に住んでいる限りは初めから設置してあるので安心ですね。(その他の条件が揃っていれば、スプリンクラーの設置は免除されるようです→高層マンションで火災が発生したらどうなる?・消防法施行令)
火災報知器に関しては私のマンションでも部屋ごとに設置されていて、定期的に業者が来て報知器の作動状態をチェックしてくれます。
管理会社が一括して管理しており、管理会社と契約した業者による点検という形になりますね。
火災報知器はほとんどのマンションで義務付けられています(住宅用火災警報器の設置の義務化-消防白書)
なので新たに設置する必要はないのですが、もし別個に設置したい場所がある場合は自分で購入することもできます。
以下の記事でも紹介していますので、よければ参考にどうぞ。
消火器や火災報知機の設置法を紹介
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【4】共用部分に防火設備があるマンション
各フロアの防火対策も大切です。
とくに非常階段やエレベーターまで火が及ばないようにするための「防火扉」(鉄の扉)の設置の有無は非常に重要で、仮に部屋から出火した炎が廊下を伝って共用部まで来た時でも、防火扉を閉じることで火を防ぎ、安全に非常階段やエレベーターを使って避難することができます。
また消火器の設置も同じく重要。
これも各フロアごとに廊下など共用部分に設置してあると、万が一の火災でも知識のある人が使って消火することができます。
そのためには普段から消火器の使い方を学んでおく必要がありますが、たとえ分からなくても消火器そのものに使用法が書かれているので、少しでも火を小さくすることが可能でしょう。
消火器の使い方に関してはこちらの記事でも触れていますので、参考にしてください。
火事で気を付けるべき4つのポイント!「火災の科学」から学んだことを紹介
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【5】管理会社が常駐しているマンション
マンションの設備や防災を管理する会社が常駐していると、かなり役立ちます。
普段の建物の相談や質問も気軽にできますし、いざという時には防災活動の先頭に立ってくれます。
マンションによって管理会社の担当範囲やレベルは大きく違うので、どこまでをコントロールしてくれるかは会社や契約によりますが、もしきちんとした管理ルームがあり、防犯カメラや制御盤等でマンション全体を管理する体制が整っているのであれば、防災や防火の大きな助けになります。
幸い私の住むマンションはそうした管理会社によるコントロールがされており、何かある時でも連絡が部屋ごとに伝えられます。
ブレーカー等の管理も制御しているようなので、一応は安心して防災管理をお願いすることができます。
こうした管理会社による常駐の管理が行われているマンションであれば、防災面での心配は大幅に減りますね。
高層マンションは避けた方が良いと思う理由
マンションで火災が起きた場合を考えると「高層マンションは避けた方が良い」と個人的には感じます。
その理由は「階下に避難するのが困難になるから」です。
もし火災が発生して逃げないといけない時に、住んでいる部屋が高層階(20階以上)の場合、非常階段を使って避難するのに時間がかかってしまいます。
足腰の弱い高齢者や乳幼児、病人などは、より困難になることも予想できます。
火災の炎が階下から階上に上がってきた場合は、さらに事態は深刻になります。
下に逃げることもできませんし、上がってくる炎を避けるためにより高層階に逃げないといけません。
窓やベランダから脱出する場合でも、避難はしごは使えませんし(高さがありすぎるので)、ベランダを伝って下に降りるのも普通の人ならほぼ不可能でしょう。
もちろん例外はあって、各部屋にスプリンクラーが設置されていて自動的に消火できる場合や、屋上にヘリポートがあって救援を待てる体制が整っているような「防火設備が整った」マンションだと話は別です。
しかしそうではない普通レベルの高層マンションを想定した場合は、上記に挙げたような困難な状況が待ち受けていると考えたほうが良いかと思います。
あくまで私個人の感覚なので、実際の状況は異なるのかもしれませんが、火災からの避難を考えた場合は、上記のような理由で「高層マンションは避けた方が良い」と私は考えます。(同じ理由で地震対策として中層階をおすすめしています→地震に強いマンションの条件について実体験をもとに考えてみました)
まとめ
火災に強い、助かる確率が大きいマンションについて体験談をもとに語らせてもらいました。
あくまで自分の経験を下地にしてまとめてみたので、もっと他にも有意義な方法があるのかもしれませんが、少なくとも現段階で「これがベストではないか」という内容であることはご了承ください。
火災は逃げ場を失いやすい災害です。
早めの避難が命を救います。
そのためには避難できる体制や手段を講じておくこと。
住んでいるマンションや、これから住もうとするマンションがそうした防火・耐火に対応しているのとしていないのでは、いざというときの助かる確率を大きく変わってきます。
今回の内容がマンション選びの参考になれば幸いです。
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