台風や豪雨で水がベランダに溜まってしまい、排水管の処理能力が追い付かずに、そのまま室内に浸水しかけた経験があります。
8年前の台風時のことですが、そのときは手にバケツを持って、必死に水を汲んで屋内の風呂場に捨てることで難を凌ぎました。
そのときに思ったのが「自動で水を排水できるツールがあれば」ということ。
その後、ネットで色々な情報を探索したところ「水中ポンプ」というのがあることを知りました。
もともとは業務用で大量の水を排水するための機材がもとになっていたようですが、最近では家庭用の小型サイズのものも販売されていて、台風などの災害時にも使える仕様になっています。
動画や販売サイトで機能やスペックをチェックし、実際の被災現場の仕様に耐えそうなものを今回はピックアップすることにしました。
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台風や豪雨で役立つ水中ポンプの種類は2つ
防災目的で使う場合、2種類の水中ポンプが挙げられます。
・清水用
・汚水用
「清水」は「濁ったり固形物が混じったりしていない、きれいな水」のことになります。水道水や井戸水、風呂の残り水、きれいな池や川の水、灌漑用水などがそれにあたるとされています。
「汚水」は「泥や砂が混じった水」になります。主な用途としては、農業用水として用水路や河川の水を使う時、たまった雨水のくみ出しなどに適しているとされています。
防災目的で使う場合は
・風呂からの水を排出して、別の場所に移動させる目的(生活用水用に)
・雨水など比較的にきれいな水を移動させる目的
であれば清水用を。
・屋内にたまった水を排出する場合
・ゴミや泥、砂混じりの汚水を排水する場合
は、汚水用を。
どちらかを選ばないといけない場合は、「汚水用」が排出できる水量やパワーが上なので、こちらを選んでおけば間違いがないと思います。
ポイント
余裕がある場合は両方のポンプを、どちらか一つだけを選ぶとすれば「汚水用ポンプ」がおすすめ
ポンプを使う時の最大の注意点
最も注意すべきは「感電」です。
水は電気を通しやすい性質をもっています。
水中ポンプは水に浸けて排水させるので、通電させた状態で手や足、体が同じ水の中にあると非常に危険です。
なので、
・人や動物が入っている水中ではポンプを使わないこと
・プールでは絶対に使用しないこと(人や動物が入っている状態で)
を徹底させるようにしましょう。
水中ポンプとブランド紹介
それでは水中ポンプを紹介していきます。
清水用と汚水用の2種類をそれぞれのブランドごとに紹介していきますので、利用目的に合わせて購入検討の材料にしてください。
京セラ(旧リョービ)の水中ポンプ(プロ用/汚水用)
もともとは1943年に創業した工具の老舗メーカー「リョービ」の製品だったのですが、2018年にパワーツール部門が京セラ(電動工具メーカー)に売却されたため、この水中ポンプは京セラ銘柄になっています。
商品名はプロ用と汚水用に分かれており、プロ用は性能をみると他メーカーの「清水用」に当たるかと思います。
一分間の最大吐出量は110リットルで、最低水位は15mmになっています。
静かにパワフルだという定評があり、さすがは名門の工具メーカーの両社による製品のクオリティですね。
汚水用のスペックは一分間で220リットルの吐出が可能。
使用できる最低水位は20mm。
レビューでは「パワフルすぎる」「頑丈で強力」という声が圧倒的で、かなりの高性能かつタフさをもったモデルと言えますね。
ナカトミの水中ポンプ(清水/汚水)
1995年に創業した、長野県上高井郡に本社をもつ「冷暖房器具や空気工具、エンジン商品や園芸商品などの販売を事業内容とする企業」です。
防災用品としては発電機が有名なメーカーになりますね。
研究開発から販売、アフターサービスまで一貫して行う企業ということで、製品の品質や保証なども安心感がもてます。
そんなナカトミが販売する家庭用水中ポンプは「家庭用電源で使える」のが特徴。
清水用と汚水用があります。
「清水用」は泥や砂が混じっていない「きれいな水」の汲み取りに適しています。
1分間に最大65リットル~75リットルの汲み取りが可能で、かなりの水量を短時間で排出することができます。
「汚水用」は逆に多少の泥や砂混じりの水でも汲み取りが可能です。
こちらは一分間で最大105リットルを吐出できます。
どちらも使用できる最低水位は50mmになるので、かなりの低水位の水でも排水できます。
水量がそこまでにはならない、屋内やベランダのちょっとした浸水の汲み取り目的としては助かりますね。
*ホースは別売りです。
工進の水中ポンプ(清水/汚水用)
埼玉県狭山市にある輸送用機器・産業界製造のメーカーです。
昭和9年に創業した老舗のブランドで、もともとは鉄道用の工業製品を製造していた模様。
現在でも新幹線のパンタグラフを製造しており、精密機械工業ブランドとしての地位を確立していると言えます。
そんな工進の防災商品としては「カセットガス用の発電機」が有名ですね。
さらにこの水中ポンプ。
清水用は1分間で95リットルの水量を吐出でき、一定以下の水位になると自動的にストップできるツールもついています。
汚水用は1分パンで260リットルの水量を吐出でき、こちらはかなりタフなモデルになります。
低水位の使用に関しては、どちらも水位の高さがある程度必要になるため(機種の高さの3分の1程度)、1センチほどの水位のものだと使えないのが難点かもしれませんね。
自動的に作動を止めるシステム、大容量を吐出する目的であれば、おすすめの製品かと思います。
まとめ
数年前の台風時にベランダ溜まった水が窓枠から浸水してきそうになって、バケツで水を吐出した経験があり、そのときの思い(しんどかった)が今回のポンプ紹介に至っています。
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大量の水になればバケツの吐出はかなりきつくなるので、自動的に排水してくれるポンプの存在は貴重ですよね。
初夏から秋にかけて訪れる台風や、梅雨から初秋にかけて発生する豪雨による家屋への浸水は、家具や建物を傷める要因となります。
少しでも早く水を排出することが自宅を救うことになりますから、やはり手動よりも自動がベスト。
また家屋に浸水した水の排出だけでなく、風呂からの給水(洗濯など生活用水に使う用)、池の排水や農地への給水など、非常時から日常の幅広いシチュエーションで利用できるのも魅力でしょう。
今回の記事が水害時の排水や普段の給水に役立つ参考になれば幸いです。