30年近く前に体験した阪神淡路大震災で痛感したことがありました。
それは「水」「トイレ」の大切さです。
大震災レベルの揺れになると、ほぼ確実に水は止まります。
その理由は停電や水道管の破損によるものと思われます。
阪神淡路のときもそれに漏れず、私の地域でも断水は起きていました。
水が使えなくなると、色々なことで困ったことが起きます。
その最大のものは「飲料水の確保」「トイレの水」です。
前者は生きていく上で必須のものですし、後者は使えなければ垂れ流しになるので「不衛生」になり、最悪の場合は「疫病」を発生させてしまいます。
当時は断水がストップするまでに一月以上かかったと思います。
私と家族は2週間かそこらで大阪に避難したので、最後まで水の供給は「配給」に頼ったままでした。
29年前の阪神淡路大震災で体験したこと、必要だと感じたこと
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今回はそんな生活のなかで「これは困った」「水がないと大変なことになる」と感じたことと、そういうときに痛感した「これは最低限ないとキツい」というものを紹介していきたいと思います。
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震災時は水の確保と移動が大変だった
水が止まった直後は買い置きのペットボトルの水や、雨水を利用してやり過ごしていました。
自分達の分がなくなると、ご近所さんだったり、知り合いに譲ってもらったりと、皆で助け合いながら水のやり取りをしていたと思います。
しばらくして自衛隊の配給が始まると、そこに並んで配給を受けていたことを記憶します。
当時は防災に対して全く無知だったですし、まさか自分の町で大地震が起きるとは考えてもいなかったので、飲料水用のタンクなどは持ち合わせていませんでした。
なので配給の水をもらう時は「鍋」か「バケツ」でしたし、地元のほとんどの人もそうだったと思います。
その時に思ったのが「蓋のある容器だったらなあ」ということです。
なぜなら移動中に「こぼれる」から。
震災時は自衛隊の方が給水してくれたのですが、当時の地元ではほとんどの人が地震への備えをしていなかったので、鍋やバケツをもって水を汲みにきていました。我が家もそうで、今思うと飲料水タンクのようなものがあれば便利だったなあと。蓋があるのとないのでは運ぶ際の苦労が全然違います。#防災
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) April 15, 2022
ツイッターでも書いたように、まさに「タンク」が欲しいと痛感しました。
歩くたびに水が波立ってこぼれるんですよね。
起伏のあるところを歩くと特に。
バケツは容量があるので多少こぼれても問題ないですが、底の浅い鍋に入れて移動するときは神経を使いましたよ。
水をこぼさないように歩くので、どうしてもゆっくりになるのも面倒でした。
夏場だと気温の高い中を移動することになるでしょうから、発汗の苦労だったり、熱中症のリスクはあったでしょうね(当時は真冬だったので暑さの心配はなかったです)
その経験を踏まえて、震災以降は飲料水タンクを常備するようにしていますよ。
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断水時の公衆トイレは阿鼻叫喚の地獄だった!
次にトイレの問題です。
これは私ではなくて、母親が経験した話です。
災害直後に母親と友人の女性が役所のトイレを使おうと訪れたところ、個室の扉を開けた瞬間に「うわっ!!!!」となったらしいです。
というのも、個室の中の便座の周りや便座の上に「こんもり」と大便の山ができていたというのです。
便器の中から溢れ出た大便の山が便座をすら支配し、さらに便器の周りも汚物で溢れ出ている惨事・・・・
壊滅的に臭い匂い・・・
見るからに「阿鼻叫喚の地獄絵図」・・・
母親と友人の女性は「これはあかん」とすぐに扉を閉めたそうです。
そこから別の避難所にいって、比較的に無事だったトイレを使って事無きを得たよう。
この場合、女性が大変なのは、大便だけでなく「排尿」も個室で行わないといけないことです。
そしてそのまさに「女性用のトイレの個室」で阿鼻叫喚の地獄絵図が展開していたということ。
母親は強調していました。
「災害のときは水洗便所はダメ。絶対に汲み取り式にすべき」
だけど都市部のトイレで汲み取り式はなかなかないでしょうし、あるとしても臨時に設営した仮設トイレくらいでしょう。
そしてそういうところは確実に「人の列」ができています(待っている時に漏れてしまう)
なのでここで一つの結論が出ます。
携帯用の非常用トイレを常備しておくべし
自分で処理できる簡易の携帯トイレがあると、たとえ公共トイレが壊滅的打撃を受けていても、安心して用を足すことができます。
女性はとくに清潔で安全な場所を選んで排尿・排便ができるので、携帯トイレの常備は必須ですね。
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災害時にトイレを使わないほうが良い、もう一つの理由
災害時では公共のトイレだけでなく、自宅のトイレも使わないほうが良い理由があります。
それがトイレの環境の問題ではなく、地震の揺れなどで排水管が破損していたり、紙などが詰まって逆流する危険も鑑みてのことです。
それはとくに集合住宅や高層ビル、商業ビルなどで、不特定多数の人が生活したり活動する建物のトイレで起きやすくなっています。
震災時における集合住宅や高層ビルのトイレ使用で起き得る恐怖は、排水管の破損や詰まりによってハンパない量の便や尿が逆流・溢れかえること。夏場だとまさに阿鼻叫喚の図が出現してしまいます。こうならないためにも、震災後は非常用のトイレで難を凌ぎましょうhttps://t.co/ekqRGJtVY8#防災
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) April 15, 2022
集合住宅やビルの排水管は共用であることが多いです。
そんな環境で地震が起き、水が止まったら・・・
そこに大勢の人が排尿や排便を流してしまったら・・・
・便や紙が詰まって逆流する
・破損した管から排尿便が漏れる
ことが起き得ますよね。
なので、最近は「マンションやビルで大きな地震が起きた後は、絶対にトイレを使わないように」という常識が普及しつつあります。
こういうときの反論として「ちゃんと貯めている水や用意してある生活用水で便や尿を流している」ということです。
恥ずかしながら、私もこれを阪神淡路大震災の際に避難している知人宅で実行していました。
しかしこれも「逆流・漏れる」のリスクを誘発する行為なんですね。
よくしがちなのが、断水時の水洗トイレで排尿・便をした後に生活用水や雨水で流すという対処法ですが、あれも実はダメらしいです。地震の場合は排水管が揺れで破損していたりすることもあるので、そこで詰まったり漏れたりする危険があるからだそう #防災
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) April 15, 2022
なので繰り返しますが、大きい地震が起きた後は「絶対にトイレを使わないこと」です。
用を足すときは必ず非常用のトイレで行うようにしましょう。
【まとめ】災害時は食料よりも水とトイレに気を配ろう!
災害を経験した身からすると、とにかく水とトイレの確保だけは事前にしておいたほうが良い!ということです。
水に関しては「生命の維持」「生活用水」になりますし、トイレに関してはこれまでに述べた通りです。
食料ははっきりいってそこまで心配することはありません。
家にある食料で当座はしのげますし、配給もあるでしょうから、それで何とか耐えきることができます。
そしてこれも両親が言っていたことですが、不思議なことに非常時は食欲が湧かなかったそうなんですね。
緊張しているのかストレスにさらされているのか、その理由は分かりませんが、一日に一食でも十分だったそうです。
確かに私自身も当時は20歳でしたが、お腹はそこまで空かなかったように記憶しています。
食べないことで「排便」「排尿」も少なく済みます。
最悪の場合、1週間程度ならば「排便なし」でも生活はできます。
もしどうしても食事を用意するのならば、栄養があって便を出さなくて済むものがベター。
カロリーメイトやエネルギーバーは最適でしょうね。
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そうすることで「出すもの」が減るので、排便の苦労もなくなります。
ということで、水とトイレの確保は早めにしておきましょう!