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「災害時の英語」の感想と英語表現まとめ

2018年10月16日

英語本で有名なデビッド・A・セイン氏の著書です。

半年ほど前に本屋で見つけて「これは!」と思い、購入しました。

見開きの両ページに分かりやすく日本語と英語表現を並列してあり、とても見やすく、実際の災害現場でもすぐに役立ちそうな表現ばかりを掲載しています。

この本が画期的だと思ったのが、外国人に向けての防災対策本ということですね。

災害時に日本人が外国人に伝える時に必要な表現を網羅していて、単なるサバイバル本、英語本とは一線を画している感があります。

今回はそんなお得本の概要と、気に言った英語表現を紹介していきます。

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「災害時の英語」の概要

ハンディタイプで持ちやすく、片手で掴める大きさなので、携帯するのに便利です。

非常時ではハンディなものが好まれますから、サイズからして「災害時」対応ですね。

本の概要は1章~5章と付録(appendix)に分かれています。

・チャプター1「小~中規模の災害」

・チャプター2「大規模災害」

・チャプター3「避難所での生活と被災後の生活

・チャプター4「その他の災害および事故・事件」

・チャプター5「防災意識を高める」

・付録「災害時に役立つ資料集」

災害が発生してから起こり得る様々なシチュエーションを時系列にまとめていて、実際の災害時をイメージしやすく覚えやすい内容になっています。

加えてページごとに見出しがついているので、知りたい表現を見つける時にとても便利です。

肝心の英語表現ですが、実際に使うには少し込み入った表現もあるものの、声をかけたり、注意をする際の英語表現は簡潔で覚えやすく作られています。

文法的に凝った表現もなく、基本に忠実で丁寧です。

災害時に使えると感じた英語表現

次に掲載されている英語表現についてです。

口語表現としては少々お堅いものが多いですが、想定されている状況が地震や津波、その他の災害・事故で避難してきた外国人に伝える表現をメインに置いているので、そのあたりは全く問題はないと思います。

日本人同士でも見知らぬ相手に、いきなり気軽な言葉で声をかけませんから。

実際の使い勝手ですが、おそらく簡単なフレーズなら、この本を片手に話しかけるとスムーズに口から出てくると思います。

たとえば、

Are you able to walk?

(歩けますか?)

What kind of clothing do you need?

(どのような衣類が足りていないですか?)

など、避難所や災害現場で困っている外国人に話しかけるときに、すぐに覚えられて口に出すことのできて役に立つ表現がたくさんあります。

このくらい簡単で短文だと、英語が苦手な人でも、本を見ながら声をかけられますから便利ですね。

一方で、何かの「情報」や「状況」を説明するときの表現は長めで堅めなので、普段から英語に慣れ親しんでいる人でないと、少々キツいかもしれません。

たとえば、

Each household is responsible for taking thier own trash to the appropriate collection spots on the premises.

(世帯ごとのゴミはそれぞれの責任で、共用のごみ置き場に捨ててください)

という表現がありますが、これもその場でこういう内容を英語で発言しようと思っても、普通はなかなかスッと出てこないものです。

こういう場合は、簡単な表現に置き換えて話すと、実際の現場でも上手く伝えられるのではないかと思います。

情報は少し欠け落ちますが、以下のような感じではどうでしょうか。要は「ゴミは共有の捨て場に捨てましょう」ということが伝わればよい、という想定で考えてみました。

他にも、

There is no need to wander around. Let's make preparations to stay the night here.

(むやみに移動しないことも重要です。ここで一夜を過ごす準備もしておきましょう)

を、

You should not move around. You can spend here tonght.

(動き回らないほうが良いです。今夜はここで過ごしては?)

という感じで。

かなり意訳していますが、およそのニュアンスは伝わりますし、何より義務教育で学んだ簡単な英語を使うことで、苦手な人でも口にしやすくなると思います。

災害時の英語に限らず、苦手な人が英語を使って外国人に何かを伝える際には、できるだけ文章を2つ以上に割って、簡単なフレーズで話すことが大切だと思います。

その意味で本書は、ひな型となるベーシックの英文はしっかり作りこまれているので、そこから自分なりに伝えやすいようにアレンジすることも可能ですね。

おすすめのポイント

この本の良いところは、使われる単語が災害時や緊急時に対応したものを集めてくれているところです。

英語が得意な人はもちろんのこと、苦手な人でも、咄嗟のときは該当のページを見て日本語にあった単語を見つけて、あとは身振り手振りで意思疎通することもできます。

索引が非常に親切にできているので、本の英語を相手の外国人に見せることで十分にコミュニケーションが図れると思います。

特に最後の付録のページは、英語での緊急時の標識の書き方や、非常用器具の使い方、緊急電話の使い方など、かなり重要で豊富ですよ。

この章を読むだけでも、この本を買った価値があると思いますね。

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