地震によって発生する大停電「ブラックアウト」。
今まで日本では起こらないと言われてきましたが、昨年の北海道地震で実際に発生してしまいました。
そこで起こった様々なトラブルや問題、そしてその対応策をNHKスペシャルで紹介されたのが、
でした。
番組の内容のレビューと、そこから導き出される「停電」対策法を考察していきます。
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ブラックアウトで発生した非常事態
まず最初に昨年の9月に起こった北海道肝振地震直後で起きた大停電(ブラックアウト)についてです。
このときの大停電は、日本で初めての大規模なブラックアウトといわれ、その規模も道内全域に広がっています。
ちょうど昨年のNHKスペシャルでもブラックアウトについて特集を組んでおり、そのときに書いたレビューでも、
電力の供給が停止する、それも大規模なレベルで発生することを「ブラックアウト」といいます。
北海道では「苫東厚真火力発電所」が道内全域に電気を供給する拠点となっていました。
しかし地震によって同発電所が自動停止し、それに引きずられる形で他の3か所の火力発電所も次々に停止していきました。
その結果起きたのが、ブラックアウト(大規模停電)。
としています。
復旧まで45時間かかったといわれる停電ですが、今回の放送ではその被害の模様がより詳細に述べられていました。
まずもっとも懸念されたのが、医療機関での停電です。
番組では災害拠点病院(重篤救急患者の救命医療などを担う)での災害直後の映像を流しており、暗くなった病院では、すぐに非常用発電機を使って電力を復旧させて、電気を戻している様子が映されていました。
救急患者の受け入れ態勢を整えつつ、燃料の備蓄はあるものの、電気がいつ回復するかわからないため、医師や看護師も不安に陥っている様子が映像からもはっきり分かります。
そのブラックアウトから4時間後に、周辺の4つの医療機関からの要請で、症状の重い患者が次々に搬送されてきました。
搬送元になった病院では、非常用電源は確保していましたが、60人ほどの重症患者がおり、発電機の燃料は2日分しかないということ。
停電が長引けば、全ての電力が止まってしまう危険があるため、特に人工呼吸器が欠かせない患者によっては命に関わる事態になったといいます。
最初の総合病院は受け入れを決定しますが、ここでも電力の供給が再開されない限り、やはり備蓄電力の枯渇は時間の問題でした。
被害は病院現場だけでなく、電力不足によって起きた「北海道全土(ほぼ)の信号停止による交通事故」も重なりました。
一般家庭では、札幌ではブラックアウトから8時間後に、非常用発電機の燃料の底のついたマンションが次々に停電に陥っています。
オール電化のためシャワーや調理器具も使えなくなくなり、高層マンションのエレベーターも休止、食料などを入手するために非常階段を何度も上り下りする事態になっていました。
特に切実だったのは、電動の給水ポンプが止まったために起こった断水で、緊急用の給水袋を確保したにも関わらず、エレベーターが動かないために、高齢者は運ぶことができません。
そこでマンション住民の高校生がSNSで救援ボランティアを求めたため、30人以上の中高生が駆け付けて水を運んで事態を凌いだのですが、もしこうした救援が届かない場合は、おそらく水や食料を階上に運ぶ手段すら欠くことになります。
そして、連絡網となるインターネット・SNSなどに必要な通信網も寸断されつつあったという事実・・
道内の停電後、電力会社は電力供給網を非常用電源に切り替えましたが、ブラックアウトから8時間後、発電が始まらない限りは非常用電源ももたなくなることが判明します。
そこで全国からフェリーで非常用電源車を集めて電力供給が再開されるまでの期間をもたせることになったといいます。
それでも全ての電力を供給することはできず、約16万回線が通信障害に。
非常用電源の確保は心がけているが、電力が数日間にわたり供給されない事態が発生すると、通信を維持することが難しくなるということ・・・・
ここからさらに物流網も直撃することになり、スーパーに商品を搬送する物流センターにも影響が及んだということです。
商品を仕分けする自動システムも停電で停止し、従業員が総出で手作業で仕分けを行った結果、、スーパーやコンビニでは商品がなくなる状態が一週間以上も続いたといいます。
コープ札幌の専務理事さん曰く「電気があるという前提で、すべての情報とモノが動くという仕組みになっている」
これらによる経済的影響は約1,300億円にのぼるといい、官民ともに甚大な被害を北海道全土にもたらしたの地震後のブラックアウトでした。
ブラックアウトに備えて一般家庭でできる対策法とは?
まず最初の医療機関での停電については、公共インフラにつながる部分が大きいため、個人レベルでの対策は難しいでしょう。
あくまで病院側の備蓄電力の確保、病院同士の連携、電力供給網の可能な限り迅速な再開でしか解決できないレベルだと思います。
続く停電時の交通事故は、これはもう、電気が停まってしまったら、外出は避けることに尽きます。
どうしても車での移動を余儀なくされた場合は、できる限り落ち着いてゆっくりと運転することが大切です。
信号や街灯がついていないため、見通しが悪くなっています。
車のライトで慎重に周囲を確認しながら進みましょう。
マンションや高層ビルの電力ストップですが、私自身がマンション住まいを続けていることもあるのでかなり切実です。
別記事で高層マンションの電力が止まったときの対策法を述べているので、よければこちらを参考までに。
高層タワーマンションの浸水対策と防災グッズを紹介
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次に停電時のための「対策法とアイテム」です。
マンション停電を想定していますが、戸建て住宅にも対応できる内容になっていると思います。
まず照明器具は、LEDランタンや、長時間タイプのろうそくがあると、電気に頼らずに光量を確保することができます。
室内の移動時もヘッドランプをつけていると、両手がフリーになるので、転倒などの室内事故も防ぎやすいでしょう。
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オール電化設備の停止に関しては、調理器具はガスコンロを備蓄しておくこと、シャワーなども介護用の手袋型のシャンプー素材やボディ用ウェットティッシュなどの備蓄で代替が可能になります。
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トイレに関しては、水を送るポンプが止まっているときは、排泄物を水で流すことができません。
貯めている水で流すのも可能ですが、できれば災害用のトイレグッズを揃えておくと良いです。
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水を使わずに固めて処理できるので、とりあえずの急場はしのげます。
水や食料も普段からの備蓄がいざというときにモノをいいます。
これに関しては「あるかないか」の2択になるので、事前にきちんと備蓄しておきましょう。
インターネットなどの通信網の寸断に関しては、サーバーのダウンや通信会社そのものの障害である場合は、個人でできることはありません。
ただ通信網が健在で、電力の不足そのものが問題である場合は、乾電池式の充電器やポータブルバッテリーなどを用意しておくと急場は凌げるとは思います。
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以上になります。
まとめ
電力供給の遮断で受ける社会や個人レベルでの様々な被害は、今までの自分の想像を越えてはるかに広範囲に渡ることを、改めて確認することができました。
インフラに関することは行政や国レベルでの対応が必須になりますが、それ以外の個人レベルで可能なことは、普段の何もないときにこそコツコツと実施していくことが大切だなと思わされた放送回でもあります。
今後も防災に必要な情報や対策グッズを取り上げていきたいですね。
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