NHKスペシャルで放映された「河川津波」についての感想です。
今回の放送内容は「河川津波」。
河川津波とは、河川を遡上してくる津波のことです。
津波といえば、海からのものをイメージしますが、実は内陸部に住む人にとっても無視できないのが河川による津波被害なのです。
Check!!防災セットおすすめブランド【3選】
Check!!非常用の電源・バッテリー【10選】
*本サイトの記事内に広告が含まれる場合があります
内陸部にも容赦なく津波が襲う!
from: NHKスペシャル
番組では宮城県石巻市内のある地区で起きた津波の被害を伝えていました。
発生したのは2011年3月11日の東日本大震災でのこと。
その町は海から数キロ離れた場所にあり、津波の被害など想定されていませんでした。
しかし津波は河川を遡上し、町の至る所で氾濫し始めたのです。
実際に河川津波を経験した被災者の方によると、河川の近くにいて津波が近づいてきたときは、地面が八の字のように複雑に動いて、水がじわじわと足元にきたと思うと堤防を越えて勢いを増したといいます。
それはまさに「走って逃げられるスピード」ではなく、「震えが止まらなかった」と話していました。
津波が河口に到達したのは、地震が発生してから40分後のことで、河川における普段の水量の600倍に達していたといいます。
やがて津波は時速40キロの速さで河川を遡上し始めて、町のあちこちで氾濫を始めたというものでした。
堤防は水が越えることに弱い構造になっており、一度越えると集落に一気に雪崩れ込みます。
家族を失った方がインタビューで「高台に逃げろと伝えられなかったことが今でも悔やまれる」と仰られており、その悲しさが画面を通じて伝わってくると同時に、津波から逃れるには、一にも二にも「高台に逃げる」ことに尽きるのだという認識を強くさせられました。
都市部の幹線道路が「河川津波」に弱い理由
番組はさらに河川津波の恐ろしさを別の角度から分析していました。
河川からの津波に巻き込まれた人の体験談では、
最初はチョロチョロと水が足元にきているな、と思って、路地の向こう側を見たら、大量の水が流れ込んでくるのが見えた
気が付けば足首にまで水が浸かっており、急いでそのまま路地から表の道路に逃げたとのこと。
しかし川の水の氾濫が勢いを増して、たちまち首までつ浸かるほどに水量は増していったそうです。
そこから必死で足を動かして、近くの建物までたどり着いて助かりましたが、その時は「怖さというよりも、とにかく必死だった」という感想を述べられていて、それがすごく印象的でした。(阪神淡路大震災の時も自分も同じ感覚でした)
こうした都市部で発生する「河川津波」の恐ろしさは、路地の四方八方から河川の水が流れ込むことで、それが集約して幹線道路にまで到達することにあります。
番組では幹線道路で信号待ちをしている車からの記録撮影で、河川津波が路地から道路に流れ込んできてたちまちのうちに道路や車を飲み込んでいく恐ろしい映像を紹介していました。
映像は非常にリアルで恐ろしく、歩道側の建物から水が浸水してきたかと思うと、ものの数秒後には水量が増して、瞬く間のうちに道路全体を巻き込んでいく衝撃の瞬間でした。
それから画面は変わって(おそらく数分後かと思います)、道路は完全に津波の水で車が浮いている状態で、撮影者の車も当然その中にいました。
これは本当に良く撮影したなと思うのですが、カメラは氾濫する水の中を揺れながら車の中から撮影を続けており、その後、撮影者は窓から脱出して近くの建物に移って助かったというナレーションが流れ「良かった・・」とまるで自分のことのように安堵の声を出してしまいました。
このように「河川津波」では、幹線道路に向かって路地からの浸水が四方八方から流れ込んで「濁流」のような水量で溢れ返るために、都市部での幹線道路は特に危険なスポットになっています。
実際に幹線道路に逃げて多くの方が亡くなられており、津波発生時には避けるべき場所の一つといえるでしょう。
とにかく「高台」へ逃げること
河川津波の危険性を踏まえて、各都市部ではその対策に追われています。
特に南海トラフ沖地震が予想される中部方面から関西方面にかけての太平洋沿岸地域では、それらの対策が急務であり、大阪などの大都市圏ではすでに河川による津波の被害を最小限に抑えるために堤防の補強を行っているようです。
大阪は他の大都市圏に比べても河川が多い地域で、河川津波による被害も甚大なものになると予想されています。
こうした「河川津波」への自治体による対策だけでなく、地域住民による避難対策も進められています。
津波が発生した時にマンションなどの高台に逃げる「垂直避難」訓練などがその中心で、番組では住民が中心になって行う「避難訓練」の様子が映されていました。
スマホを使って津波から逃げる避難歩行訓練では、河川から襲来する津波からすぐに追いつかれていました。
これは川に向かって歩いていたためであり、河川から離れて避難することで、きちんと時間通りに避難を完了することができたようです。
「とにかく海や川から離れること」。
地震による津波から助かるための教訓といえそうです。
まとめ
今回の放送では二つの教訓を得ました。
・高台に逃げること
・海や川から離れること
この二つに尽きると思います。
私の住む町でも、数年前に川が氾濫して町中に浸水が発生したことがありました。
地震による津波ではなく、単に大雨による氾濫だったために、事態はそこまで深刻にはならなりませんでした(それでも付近の住民は大迷惑でしたが^^;)
ただ、もしこれが南海トラフによる津波の遡上ということになれば、単なる川の氾濫に済まずに濁流という形になり、その時はそれこそ何もかも投げ出して高台に逃げ込まなければならない状態になると思います。
とはいえ、事前に予測できないのが災害であり、実際に地震や津波が発生したときに避難可能な場所にいれるかどうかは、その時の状況次第というもの。
幸い最近は携帯やスマホで防災アラートが着信できるようになっていますし、それに対応したアプリも充実しているようなので、そういったものを積極的に活用すると良いと思います。
こうしたことを踏まえ、地震では「姿勢を低く保って、頭を守り、動かない」、津波では「海や川から離れて、とにかく高台に逃げる」、火災では「身を低くして、煙の出ていく方向に逃げる」(建物内部での場合)こと。
災害発生直後に身を救う方法としては、これが最も効果的だと、今回の放送と自身の経験を照らし合わせて自分の中では確信しています。
【災害体験】20年前の阪神淡路大震災で体験したこと、感じた事
これから起こり得る「首都直下型地震」「南海トラフ沖地震」からの被害を抑えるため、こういった災害情報はこれからもどしどし提供していって欲しいと思います。
【水害対策まとめ】台風・豪雨・浸水・雷から自宅や家族を守る方法
続きを見る