阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本大震災など、ここ20年の間に大型地震が幾度も日本の国土を襲っています。
そのたびに被災した方々は避難所を一時シェルターとして、家屋が復旧するまでの間、過ごすことを余儀なくされています。
ただ避難所生活はプライバシーが保護されることが少なく、騒音やプライバシー問題で他の避難家族とトラブルにあったり、手狭なために窮屈な避難所生活で健康を害したりと、さまざまな問題があります。
これを防ぐために、近年ではテントの活用が広まっているようです。
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テントが避難生活に向いている理由
登山家で有名な野口健さんが全国各地の市町村で避難場所でのテントの活用を前提にした「テント村」の指導を行っています。
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野中さんは、熊本大震災の際にもテント村を開設していたということだそう。
「プライベートな空間があり、周囲の騒音に神経質になる必要がない。特に子供がいる家族に喜ばれた」と述べており、その際の経験を著書に記しているそうです。
現地では自治体との確執についても上げながらも、テント村の有効性はあったとし、「普段からレジャーでテントに慣れ親しんで欲しい」と訴えかけています。
テントは野外生活用に設計されているので、避難生活を送る際にも役立つのは想像できます。
その他の利点についても納得させられる点が多いです。
・プライベート空間が確保できる
・狭い居住空間によるエコノミー症候群の心配がない
・倒壊の心配がない
・出入り口が確保できる
・通気性が良いので夏場の避難生活に向いている
以上は野口さんを始めとした専門家の意見です。
中でも特に注目したいのが「プライベート空間の確保」。
災害時はただでさえ精神的に参っています。
ささいなことで、家族や周りとのトラブルが発生しがち。
テントだとある程度のプライベート空間が保証されます。
少なくとも人の目を気にせずにいられる安心感はあるでしょう。
不特定多数の避難所では女性の着替えを覗こうとするものもいます。
テントはそれらをシャットアウトできる良さがありますね。
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狭い居住空間におけるエコノミー症候群は、車中泊でも起こり得る症状です。
同じ姿勢を取り続けることで足に血栓ができ、それが肺にまで到達して動脈を詰まらせる症状です。
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エコノミー症候群を防ぐために、自由に手足を伸ばせる場所が必要。
テントはプライベート空間と、エコノミー症候群を予防するために、ぜひとも準備しておきたいアイテムの一つといえますね。
どのようなテントが避難生活やアウトドアに向いているのか
アウトドアメーカーのモンベルによれば、
遊びと災害時の両方を想定して、これからテントを選ぶとしたら、「ムーンライトテント」がおすすめです。
災害用に用途を限定して持っておくより、“普段は遊びで使いながら、いざというときには住居にもなる”という意識で、使いながら備えておくことが重要です。
「モンベル | 暮らしの中の防災 ~アウトドアの知識をいかす~ 」より
月明りで設営できるということは、組み立てがそれだけ簡単だということでしょう。
前室にスペースがあるというのも、収納の面で安心材料になりますね。
中でも「ポップアップテント」と呼ばれる簡易式のテントが人気です。
瞬間的に組み立てられるので、テントの知識がない人にも簡単に野外生活が楽しめるということ。
アウトドアやバイクのツーリングなどの一人旅にもよく使われているようですね。
そんな便利かつ防災にも使えるテントを以下にまとめてみました。
防災・アウトドア用テント6選
モンベル
日本の総合アウトドアブランド「モンベル」のテントです。
上記に述べた「ムーンライトテント」になります。
居住空間が広く、サイズが多いので世帯人数に合わせてチョイスできます。
前室(荷物を置ける雨に濡れない軒先)スペースも確保可能。
耐水圧も1,500~2,000mmと十分となっています。
「ムーンライト」の名称は「月明りでも簡単に設営できるように設計された」からきています。
バランスの良い設計と組み立てやすさを求める人におすすめですね。
スノーピーク
新潟県三条に本拠をもつ日本のアウトドアブランドです。
業界トップレベルの品質と洗練されたデザイン、幅広い品ぞろえが国内有数の人気を誇ります。
ユーザー目線で作られたテントは居住性や耐久性はもちろん、見た目の良さも秀逸。
ジュラルミン製のポールが使われているので強度面も十分、耐水圧は1,800㎜あって安心です。
商品の不具合があれば、修理や交換が可能というアフターサービスの良さも魅力。
サービスに高い満足感を求める人におすすめですね。
ハスキー
ヨーロッパのキャンパーや冒険家、軍隊に愛用されているチェコ製のテントです。
風に強く、ポール部分に航空素材に使われているジェラルミンが使用されています。
耐水圧も7,000㎜と強力でファスナー部の設計もしっかりしているので、強風雨のときも安心。
そのほかにも室内の換気や寒さ対策、一人で設営できる手軽さなどマルチな使い勝手と頑丈さが魅力です。
プロ仕様の本格テントを求めている人におすすめです。
コールマン
アメリカ発のアウトドア用品ランドです。
日本でも抜群の知名度を誇っており、長年によって培われた安心と信頼性が最大の魅力といえます。
すべてのテントのフライシートには軽量で防水性に優れ、紫外線の劣化に強い生地「UVPRO」が使われています。
ブランドの中でも最もハイスペックの「ウェザーマスター」シリーズは、換気性に優れたブリーズドームやオールシーズンタイプあり。
かなりの程度の水圧に耐えるように設計されているため(10,000mm)、屋外でテントを張る際はかなり役立ちます。
高品質なテントを求めている方におすすめです。
ロゴス
創業80年を越える日本のアウトドア用品メーカーです。
機能性だけでなく価格帯もお手頃なものの多く、家族向けのテントとしても有用です。
耐久性も悪くなく、航空機の素材に使われる「7075超々ジュラルミン」をポールに使用。
タープも耐水圧が3,000mmあるため防水加工も問題ありません。
国産ブランドの安心感を求めるユーザーにおすすめです。
DOD(旧ドッペルギャンガー)
若者に人気のある国産ブランドです。
ツーリングなどのアクティブなアウトドア用にデザインされたものが多くなっています。
設営時間は約15秒ということで、テント初心者や女性にも嬉しい仕様。
ポップでお洒落なデザインというイメージですが、メッシュ生地への切り替えが可能なところや、シートに1500㎜の耐水性が備わっているなど、テントそのものの品質も優れています。
片づけ方が少し難しいという意見がレビューでは見られましたが、防災用に臨時に使うのであれば特に問題ないかもしれませんね。
小人数や一人用の手軽なテントを求めるユーザーにおすすめです。
まとめ
以上、ショップサイトや専門家の情報サイトを参考に「防災・キャンプ用テント」の候補を上げさせてもらいました。
私自身は、阪神・淡路大震災の際は自宅が全壊したために、一時避難として家屋以外の場所をシェルターにしていました。
幸い被害の少なかった知人の家にお世話になることができ、避難生活の半分ほどをそこで過ごさせて頂いた経験があります(残りは車中泊)。
ただもしこれから大型災害が自分の住む町を襲ったらと考えると、やはりこうした避難用のテントは事前に用意しておく必要があるなと感じますね。
災害はいつどこで起きるのか分からないので、できれば早めに準備しておきたいところ。
今回の記事がテント選びの参考になれば幸いです。