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トルコ・シリア大地震で考えた建物と住む場所の安全性について

2023年2月25日

日本と同じ地震多発帯のトルコで発生したということで、今後日本で起こりうるといわれる大地震の「リスク」がより明確になったという気がしています。

それは「耐震構造が成されていない建物に住むのは危険」という当たり前のこと。

トルコは過去に大きな地震を経験しているので、耐震基準を定める法律も施行されたと聞いています。

それにも関わらず、これだけの大きな犠牲を出してしまった背景には、建築基準の取り締まりが緩いということが大きな原因だということも言われています。

今回はその辺りのことについて、詳細を取り上げたメディア情報を引用しながら、日本でも起こりえる大地震への防災的推察をしていこうと思います。

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違法建築の跋扈が多数の犠牲者を生んでしまった

地震がよく起こる地域や国では、建物の倒壊の被害を防ぐために、一定の基準を定めた建造物の建築規制を設けています。

日本もそうですし、同じく地震が多いトルコでも同様です。

しかしトルコではそれが守られなかったことで、本当なら倒壊するはずのなかったマンションや建造物があっさりと崩れてしまいました。

ニュース映像でみた限りでは、まるで映画の爆破シーンのようにあっさりと崩れ落ちているのが分かります。

普通なら内部に組み込まれている鉄筋が建物の支えになるはずで、たとえ強烈な揺れがきたとしても、曲がったり、折れたりすることで、建物全体の崩壊を防ぐはずです。

それがこうまであっさりと倒壊してしまった理由とは何か?

以下は詳細をまとめたメディア情報からの抜粋・引用です。

・構造設計の不備によるもの

・建築規制法を違反した業者の建てた建造物だった

・基準を満たさない材料や効果の薄い検査手続きが、はびこっていたためだった

・政府が支援する建築ブームがそうした違反の多発を生んだ

・開発業者や個人は建築基準に違反しても、罰金さえ払えば違法建築物の事実上の認可を得ることができた

・このプログラムで政府が手にした収益は31億ドルに上った

・2007年の建築法で、いったん認可を受けた建物は検査不要となるため、無認可の改修を行うことが可能となっていた

トルコ地震「高級耐震マンション」が崩壊したなぜ(東洋経済オンライン)

倒壊が多く見られた地域には、政府が支援していた建築ブームに乗っかった高級マンションが建っていたといいます。

しかもトルコでは「5〜10階建ての鉄筋コンクリート造りの集合住宅のほうが一般的」ということもあり、より被害を凄惨なものにしたという背景もあります。

つまりは「人災」だったということ。

違法な建築を行った業者はもちろん、それを見過ごした政府、罰金を事実上の「賄賂」として収益を上げていたこと、そしてそれが東アナトリア断層と呼ばれる活断層の上にあったということ・・・・

すべての要因が重なり、そしてそれが長年に渡って続けられたことで、今回の大きな被害をもたらしたのでしょう。

報道では、建物の一階店舗が売り場を広げるために「柱を取り除いた」ということも取り上げられていました。

もうこうなると、建築業者だけの問題ではないですよね。

地震の人的被害の多くは家具や建物の倒壊によるもの

今回のトルコ大地震でも分かるように、地震での人的被害の多くは建物や家具の倒壊による圧死だと言われています。

私が経験した阪神淡路大震災でも同様だったというデータが内閣府のホーム―ページで出されています。

・震災による死亡者の9割以上は死亡推定時刻が当日6時までとなっており、ほとんどが即死状態だったとされている。

・死因のほとんどは、家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死だった。

・火災、精神的ショック、閉じ込めによる死者や、病院で人工呼吸中の患者が停電による酸素供給停止による死亡例も報告されている。

阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】人的被害(内閣府ホームページ))

実際に私の知人のお子さんも、悲しいことにそれが原因で亡くなったと聞いていますし、学生時代の同級生や近所の方も同様の被害を受けていました。

木造建築が多かった私の自宅を含めた周辺の地域では、ほとんどが半壊か全壊の被害を受けていました。

ただそれでも亡くなった方は、少なくとも私の周りでは、そこまで多くなかったと思います。

それは周囲の多くが戸建てだったこと、昔の木造建築なので、倒壊しても逃げれるように設計されていた(平行四辺形に崩れるように柱が組まれていた)のが大きかったと感じています。

しかし今回のトルコの場合は、倒壊した多くが高層マンションだったこと、崩壊レベルが圧倒的に早かったことが住民の逃げ場を奪ったように見えます。

どちらにしても建造物の倒壊は人命を多く奪います。

さらには室内の家具の倒壊も人的な被害を多くもたらします。

それを事前に防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

最大の地震対策は住む家と場所を選ぶこと

地震での最大の防災とは「住む家を選ぶこと」が大事になると思います。

さらにいえば「建物が建っている場所を選ぶこと」も重要です。

つまりは「立地」と「建物」ということ。

当たり前なんですけどね。

でも防災というと「備蓄」のイメージが強いので、改めて「当たり前の心得」を自分にも戒めることにしました。

今回のトルコ地震でその思いが確信に変わったような気がします。

具体的に「地震に強い家」はどんなものかというと、

・窓ガラスが少なく、壁や柱が多い(支える面積が多い)

・新耐震基準法(1981年に施行)以降に作られている

・エレベーターに非常電話や非常ボタンが設置してある

・発電機を備えている

・脱出経路が用意されている(非常階段や出口、表示など)

地震に強いマンションの条件について【実体験ベース】

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マンションや高層ビルを想定していますが、戸建てにも通用する部分もあると思います。

揺れそのものへの構造的な強さはもちろん、たとえ地震が起きたとしても、安心して避難できる「流れ」を備えた住居が重要かなと思います。

「住む場所」に関してですが、以下の条件は避けた方が良いかと思います。

・活断層付近

・想定される大地震が引き起こす津波の範囲

とくに「東海・紀伊沖・土佐沖・九州沿岸」付近はリスクが高いのかなと思います。

以下に内閣府ホームページの地震災害マップがありますので、気になる方はリンク先で確認してみてください。

地震災害の情報とマップ

ほかにも地震に強い家を見分ける方法と、地震による被害が少なくて済む地域について、以下の記事で紹介しています。

住んでいる家が地震に強いか弱いかを見分ける方法

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家具の配置にも要注意

もう一つが「家具の配置」です。

電子レンジやテレビ、ガラス戸の食器棚など、ケガを誘発するものは家の中に多く存在します。

洋服ダンスも倒れてきたら、圧死の危険を伴います。

玄関扉までの廊下や、マンションの避難経路に大きな家具や物置を置いていると、それが倒壊してしまうことで逃げ場を失っていまいます。

絶対に倒れないように見える家具でも、激しい地震が来ると、いとも簡単に吹き飛んでしまいます(冷蔵庫など)。

阪神淡路大震災でも我が家でテレビが飛んできましたから、想像以上のパワーを地震の揺れはもっていますよ?

家具の配置や設置法、防災法は以下の記事で詳細をまとめていますので、こちらもよければ参考にしてください。

地震による家具や食器の転倒・落下を防ぐ方法まとめ

続きを見る

まとめ

トルコの大地震で多くのことを考えさせられました。

住む地域の選び方、住む家の耐震構造の有無、室内の家具の配置などなど・・・

普段はあまり意識しないことですが、やはり地震の脅威は侮れません。

すでに危険地域・家屋に住んでしまっている場合は、できるだけすぐに避難できるように室内からの脱出経路の確保や、家具の配置を考えておくことが大事かなと思います。

明日は我が身です。

いずれくるといわれている大地震に備えて、それぞれの環境に合わせた防災を整えていきましょう!

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