先日ツイッターで取り上げたニュースで「携帯発電機で死亡事故」という見出しの内容がありました。
「え?どういうこと?」と驚いて記事を読んだところ「屋内で使用したことでガスによる事故が発生した」ということでした。
石油ストーブなどの暖房器具でも同じ危険が昔から言われてきましたが、それがついに防災グッズの一つとして有力な発電機にまで発展しているというのです。
このニュースは大事。携帯発電機は排ガスが出るので、しっかり換気しないと一酸化中毒のリスクあり、ガスコンロはコンロの過熱でボンベが爆発したりとの事案もあり、どちらも使い方を注意しないと災害時の二次災害になってしまいます。#防災 https://t.co/pIPBhE1tkY
— 街の防災研究家 (@bousaitarou) August 27, 2021
災害で停電になったときに自家発電できる発電機は、いざというときの力強い防災のツールですが、燃料に油を使うために石油ストーブと同じ危険が隣り合わせにあるということ。
当ブログでも災害時の電気の必要性は何度も伝えてきましたが、あえて発電機を取り上げなかったのは、そういう危険があることを以前から聞いていたからです。
そしてその事故が経済産業省のホーム―ぺージで取り上げられているということを知り「これはけっこう大事なんだな」と実感したわけです。
⇒携帯発電機・カセットこんろ・モバイルバッテリーの使用にご注意ください
今回はその死亡事故のリスクがある携帯発電機の注意点と正しい使い方、それ以外の防災グッズについての同様のポイントを、経産省のお知らせに従ってまとめてみたいと思います。
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携帯(小型)発電機
経産省のホームページでは機器の注意点と事故の実例を紹介しています。
ここではその情報をもとに、分かりやすくまとめていきます。
まずは携帯発電機についてです。
【特徴】
・携帯発電機の排ガスには毒性の強い一酸化炭素が含まれている
・屋内での使用による死亡事故も報告あり
【事故の実例】
・停電時に発電機を換気の不十分な屋内で使用したため排ガスが滞留し、一酸化炭素濃度が上昇して「一酸化炭素中毒」により死亡
【注意点】
・屋内では絶対に使用しないこと
・発電機は水平に設置すること
・雨や水のかかる場所では使わないこと
・周りに燃えやすい物を近づけないこと
・燃料の補給はエンジンを止めてから行うこと
・屋外でも風通しの良いところで使うこと
・水洗いをしないこと
・長期で保管する場合は燃料を必ず抜くこと
・点検や清掃はエンジンを止めて行うこと
基本的には「屋内で使わない」が鉄則ですね。
火災でも死亡原因の一つに一酸化炭素中毒というのがあるので、ガスがもたらす危険は侮れません。
停電時の電気供給はソーラーパネルが安全かなと。
ソーラーパネルだと太陽光からの電源チャージですし、ガスが発生することもありませんからね。
事前に準備できるのであれば、ポータブル電源で電気を貯めておくのも良いと思います。
電源から蓄電できるデバイスですが、最近のものは大抵はソーラーパネルがついているので、ほぼ自家発電に近い形で電気を得ることも可能だと思います。
ただ得られる電気の量はそこまで多くありませんし、太陽光が雲にさえぎられていたらエネルギーそのものを得られません。
なによりもチャージに時間がかかるという欠点もあります。
なので一番てっとり早く電気を大量に得られるデバイスに「自家発電機」が挙げられるのは、納得です。
先ほど述べたような危険があるので、そこは要注意ですね。
カセットコンロ
停電時に大活躍する調理器具ですね。
電気がなくてもガスボンベがあれば、火をつけられるので災害時やアウトドアにも使い勝手が良いです。
普段でも鍋料理によく使いますし、一般の家庭でカセットコンロがない家を探す方が難しいのでは?とすら思いますね。
そんなカセットコンロも実は危険と隣り合わせだということ・・・
【特徴】
・カセットボンベで着火可能
・正しく使うと問題ない
・誤使用で事故を生みやすい
【事故の実例】
・カセットこんろを2台並べた上に鉄板を置いて使用していたため、バーナーの火で加熱された鉄板からの放射熱でカセットボンベが破裂した
・ボンベの向きを間違えて装着して引火した
【注意点】
・カセットこんろを2台以上並べて使わない
・大きな調理器具をのせて使用しない(熱がこもってガスボンベが加熱⇒破裂するリスクあり)
・ボンベを本体に正しく装着する
カセットコンロは私もおすすめの防災用品としてブログでも紹介しています。
停電時の調理にすごく便利なんですよね。
阪神淡路大震災のときも、カセットコンロを使って味噌汁を温めたりしていました。冬場のスープは体に染みて美味しいんですよね。
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キャンプなどのアウトドアのときも重宝してますが、そんな便利な機器も使い方次第で凶器になるということ。
上に挙げた注意点を守りながら、いざというときの食事のために使っていただきたいと思います。
モバイルバッテリー
災害時だけでなく、普段でも出番の多い充電デバイスです。
スマホが普及した今では、人々の生活になくてはならないアイテムになっています。
いざという時の通信手段として、災害時も活躍が期待されるスマホの弱点は「停電トラブル」。
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電気が供給されないと使い物にならないので、電気の供給をはじめ、自宅での発電機やポータブル電源、ソーラーエナジーから電気をもらって、電源をチャージする必要があります。
そんな接続デバイスであるモバイルバッテリーは小型ですし、一見すると「これが事故の原因になるの?」と頭を傾げてしまいますよね。
でも立派に「火災」の原因になるということ。
以下にその特徴と注意点、実例をまとめてみましょう。
【特徴】
・簡単に手で持ち運べるサイズ
・災害時の電源チャージに欠かせない存在
・意外に火事を起こしやすい
【事故の実例】
・他社製のACアダプターで充電を行ったために、バッテリーが発熱し発火した(推定)
【注意点】
・衝撃を加えないようにする(発火する危険あり)
・充電ケーブルのコネクターに水分等が付かないようにする
・充電時のアダプターは、バッテリー付属のものを使用する(他社製を使わない)
バッテリーって意外に繊細だったんだな・・・というのが私の正直な感想です。
というのも私自身、実はスマホの充電に使うアダプターを別のタブレットのものと併用していまして・・・
それもタブレット付属のアダプターなので、思い切り「他社製のアダプター」なんです(汗)
USB端子のサイズが同じなのか問題なく充電できているのですが、経産省の警告を読むと「えらいこと」になっているようですので、今後はちゃんと付属のものを使わないといけないなと感じました。
だから皆さんも、ここはぜひチェックしておいてくださいね。
他の「衝撃を加えないようにする」「水分がつかないようにする」は常識の範囲内で理解していたので、ここはまずまず大丈夫かなと。
被災先で火事になったら洒落になりませんので、ぜひとも上に挙げた注意ポイントは守っていくようにしましょう。
まとめ
発電機のガスによる事故は以前から知っていましたが、他の2点が使い方によっては火災を招くこともあるというのは、今回の記事をまとめる過程で初めて知りました。
身近過ぎるので「安全だろう」と思い込んでいたこと自体が「想定外のリスク」ということですね。
電気に関わるデバイスは一歩間違えると「火災」と隣り合わせということがよく分かりましたし、災害時だけでなく、普段の生活でも気を付けて扱わなければいけないなという気になりました。
温暖化の影響で雨量が爆発的に増え、大規模地震のリスクも依然として存在します。
今後ますます災害が増えて防災の必要にかられる機会も多くなると思うので、ぜひとも周りの人に今回の情報をお伝えしてもらえればと思います。
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