昨年発生した熊本大地震を始めとして、2010年の東北大震災、1995年の阪神・淡路大震災など、ここ20年のうちに様々な災害が日本各地で発生してきました。
近年中に起こり得る大災害として「南海トラフ沖地震」や「東京直下型地震」などの予測もされており、常に油断はできない状態です。
阪神淡路大震災の時も、避難先での車中泊や衛生状態の悪化など、健康の観点から見ても色々と考えさせられることが多くありました。
いずれはそういった体験をこのブログでもまとめていこうと思いますが、今回はその第一回的なものとして「災害と健康」の観点で、気になった情報を取り上げていきたいと思います。
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災害時における血栓症の危険性
from: IIFC
地震などの大規模災害では、多くの人が自宅からの避難を余儀なくされます。
特に高齢の方などは、車中泊のみならず、避難所での生活を長期間強いられるなど、体力的にも精神的にも大変な状態が長く続いてしまうことが考えられるので、それに対応した対策が必要になってきます。
中でも窮屈な場所で同じ姿勢を取ることで起こる「エコノミークラス症候群」は血栓症を引き起こす可能性があり、命のリスクにかかわります。
その危険性は、
・エコノミークラス症候群とは正式な病名は静脈血栓塞栓症
・肺を含む静脈に血の塊、つまり血栓が出来る(はふくらはぎから始まる)
・ふくらはぎの中にあるヒラメ筋は「歩くことで心臓に血液を戻す第2の心臓」と呼ばれている
・ヒラメ筋の中にある静脈は膨らみやすくできている
・長時間座ったままでいると血液が重力で落ちて、ヒラメ筋静脈が膨らみ、その中で血液がよどんでしまう
・水分を摂らない状態が続くと、血液が濃くなり血栓ができてしまう(深部静脈血栓症)
・この段階では無症状であることが多く、このまま動かないでいると、血栓は大きくなり心臓の方向にのびていく
・血栓が骨盤内に達するとちぎれて飛散し、心臓を通って肺動脈を詰まらせる(肺塞栓症)
・深部静脈血栓症と肺塞栓症を合せて静脈血栓塞栓症と言う(いわゆるエコノミークラス症候群)
・血栓が大きいと死に至る場合もある
のようになります。
ヒラメ筋のは、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋の一つの筋肉です。
表面を腓腹筋が覆っていて、名前の示す通り扁平な筋肉です。(英語ではSoleusといいます)
from: Breaking Muscle
ここにある静脈に血栓ができて、それが心臓にまで到達することで動脈を詰まらせてしまうのです。
こうした血栓ができやすい環境として、次のことが挙げられています。
・静脈の流れが滞る(車中泊や雑魚寝の避難場所)
・水・食料・トイレ等の不足による脱水(血液が固まりやすくなる)
・静脈の損傷(避難時の足のけがや打撲、長時間座りっぱなしでヒラメ筋静脈が過度に拡張して損傷を受ける)
そしてこれを防ぐためには、
・数時間ごとに歩く
・ふくらはぎマッサージをする
・弾性ストッキングを履く
・水分を補給する
・車中泊を避ける
・足のけがは早めに処置する
ということ。
弾性ストッキングというのは、特殊な編み方で作られている圧迫力を備えた医療用ストッキングです。
これをつけていると足の静脈の血流が良くなるようです。
また避難所での雑魚寝は肺塞栓症を発症させるようなので、簡易ベッドの使用が望ましいとのこと。
ベッドの使用率が高い避難所ほど、エコノミークラス症候群の発生が予防できるようですね。
以下の記事で簡易ベッドについて詳しくまとめていますので、ぜひとも参考にしてください。
段ボールからテントタイプまで!災害・簡易ベッドおすすめ3選
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避難時の血栓症予防運動
JAL(日本航空)もホームページ上で「血栓症の予防についての情報」をホームページ上で提供しているようです。
本来、「エコノミー症候群」とは旅客機のエコノミー座席で発生した血栓症のことを指しますので、航空会社がそのガイドラインを示すのは当然のことだと思います。
ここで挙げられている体操は、避難所や車中泊などにも使えると思いますので、引用させてもらいます。
①足を上下につま先立ちする
②つま先を引き上げる
③ふくらはぎを軽くもむ
座ったままできるので、非常に便利です。
災害時以外でも、職場や学校、家庭でも使えそうです。
ぜひ日常生活に取り入れましょう。
まとめ
避難所等の狭い場所で「エコノミー症候群」にかからないようにするための予防法を紹介させてもらいました。
とにかく同じ姿勢で座り続けないこと、同じ姿勢を長時間取り続けないことが大切なのではないかと。
これは決して災害時や旅客機に限ったことではなく、普段の日常生活でも当てはまることだとも思います。
また弾性ストッキングやダンボール式の簡易ベッドなども知ることができ、さらに備えておくべき防災グッズの幅が広がりました。
できる範囲で揃えていきたいですね。
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